COLUMN
腸美容ラボ

2026.08.18

夏こそ腸温活──その夏バテ、腸の冷えかも|腸を温めて自律神経を整える

夏こそ腸温活──その夏バテ、腸の冷えかも|腸を温めて自律神経を整える
監修医 小林弘幸先生
小林 弘幸監修医

順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”。自律神経と腸を整える健康法を提案し、著書・メディア出演も多数。

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「毎年夏になるとだるい」「食欲が落ちる」「疲れが取れない」——そんな夏バテに悩む方は多いのではないでしょうか。

実は、現代の夏バテの多くは“暑さ”そのものが原因ではありません。ドクターズ ナチュラル レシピが実施した調査※1では、女性の約2人に1人が7月中に「すでに夏バテを経験した」と夏の前半から夏バテ状態を実感すると回答した一方で、約7割が自律神経を整えるセルフケアの方法を「知らない」と答えました。

夏バテの本当の正体は、冷房・冷たい飲食物による「腸の冷え」、そしてそれが引き起こす自律神経の乱れにあると考えられています。今回はそのメカニズムと、夏こそ実践したい「腸温活」について解説します。

この記事の結論
夏バテの多くは暑さそのものではなく、冷房・冷たい飲食物による「腸の冷え」と自律神経の乱れが一因と考えられています。冬のイメージがある温活を夏こそ実践し、腸を冷やさず温め直すことが、根本的な夏の体調管理につながります。

「夏バテ=暑さが原因」は思い込みだった

結論
現代の夏バテは炎天下での体力消耗ではなく、冷房と冷たい飲食物で腸が冷え、自律神経が乱れることが一因と考えられています。

少し前まで夏バテといえば、炎天下での体力消耗や食欲不振がイメージでした。でも今の夏バテは少し違います。

冷房が当たり前になった現代では、職場やカフェ、電車の中など、1日の多くを冷えた空間で過ごしています。外は35℃超え、室内は24℃——その温度差は10℃以上になることも。さらに暑いからとアイスや冷たい飲み物を次々と口にすれば、体の内側(腸)は知らないうちにどんどん冷えていきます。

「なんとなくだるい」「お腹の調子が悪い」「夜なのに疲れが取れない」——それは暑さへの体力消耗ではなく、腸が冷えたことによる自律神経の乱れが原因かもしれないのです。

補足:室内外の「温度差」も自律神経の負担に
自律神経は体温を一定に保つために血管を収縮・拡張させて働いています。暑い屋外と冷えた室内を何度も行き来すると、この切り替えが追いつかず自律神経が乱れやすくなるとされ、いわゆる「冷房病(クーラー病)」につながると考えられています。屋外と室内の温度差は7℃以内を目安に抑えると、体への負担を減らす助けになるとされています。※3

腸が冷えると、なぜ全身がだるくなるのか

結論
腸と脳は迷走神経でつながり(腸脳相関)、腸が冷えて機能が落ちると自律神経のバランスが乱れ、だるさや不調の連鎖につながると考えられています。

腸と脳は「迷走神経」(腸と脳を直接つなぐ神経)を通じてリアルタイムに信号を送り合っています。腸の状態が脳に伝わり、脳の反応がまた腸に返ってくる——この双方向のやりとりを「腸脳相関」と呼びます。※2

腸が冷えて機能が落ちると、その「調子が悪い」という信号が脳に届き、自律神経のバランスが乱れます。自律神経が乱れると、消化・吸収・血流・免疫・睡眠……体中のあらゆる機能に影響が出てきます。これが「夏バテの連鎖」の正体です。

腸の冷えが引き起こす夏の不調チェーン

連鎖体への影響
腸が冷える腸の蠕動運動が低下。腸内環境が悪化する。便秘・下痢・お腹の張りが起きやすくなる
腸脳相関で自律神経が乱れるだるさ・食欲不振・集中力の低下が起きやすくなる
血流が悪くなる代謝・血圧の低下。手足の冷え・むくみ・頭痛・肩こりにつながることがある
免疫が乱れる風邪をひきやすくなる。肌荒れ・ニキビが出やすくなる
睡眠の質が落ちる寝ても疲れが取れない。夏バテが慢性化しやすくなる

「心当たりがある」という方——それはまさに腸が冷えているサインかもしれません。

腸の冷えセルフチェック

あてはまる項目が多いほど、腸が冷えているサインかもしれません。まずは「腸を冷やさない」ことから見直してみましょう。

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夏こそ「腸温活」——腸を冷やさず、温め直す習慣

結論
温活は冬だけのものではありません。冷たいものを控え、温かい一品や入浴で腸を温め直す習慣が、夏の自律神経を整える助けになると考えられています。

温活というと冬のイメージがありますが、実は夏こそ必要です。腸を冷やさずに温め直す「腸温活」で自律神経のバランスを取り戻すことが、現代の夏バテ対策の中心になってきています。

特別なことをする必要はありません。日常のちょっとした習慣を変えるだけで、腸は応えてくれます。

夏の腸温活:今日からできること

シーン腸温活のポイント
飲み物を選ぶとき冷たい飲み物より常温・温かいものを意識。白湯・生姜湯・温かい味噌汁がおすすめ
食事のとき冷たいそうめん・アイスを食べた日は、汁物や温かい副菜を一品加えてバランスをとる
オフィス・室内で冷房の冷えを感じたら腹巻き・カーディガンでお腹と体幹を温める
乳酸菌配合食品・発酵食品を取り入れる乳酸菌や食物繊維が含まれる健康食品や発酵食品を意識的に摂る。腸内の善玉菌を補ったり、善玉菌のエサを摂って腸内環境を整える
入浴シャワーだけでなくぬるめの湯船(38〜40℃)に10分以上浸かる。腸の血流を高め自律神経を整える助けになる

「冷たいものを食べた後は温かいものを一品追加する」——これだけでも腸への負担はだいぶ変わります。完璧を目指すより、毎日少しずつ続けることが大切です。

腸を温める食べ物・飲み物リスト

結論
白湯・生姜湯・味噌汁など温かい飲み物や発酵食品を選び、冷たいものを一度に大量にとらない工夫が、腸を冷やさない食習慣のポイントとされています。

「何を選べばいいの?」と迷ったときの目安として、腸を温めたいときに取り入れやすいものと、とり過ぎに気をつけたいものを整理しました。数字にとらわれず、まずは温かいものを一品足すことから始めてみましょう。

腸を冷やさない食べ方の目安

取り入れたい控えめにしたい
白湯・常温の水・温かいお茶氷入りの冷たい飲み物の一気飲み
生姜・根菜・温かい味噌汁やスープアイス・かき氷など冷たいものの食べ過ぎ
発酵食品(味噌・納豆・ヨーグルト等)甘い清涼飲料水の多飲
温かい主菜・副菜を一品添える冷たい麺類だけで済ませる食事

※あくまで一般的な食習慣の目安です。体質や体調に不安がある場合は無理をせず、少しずつ取り入れてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 夏でも「温活」は必要ですか?

はい。冷房と冷たい飲食物で腸が冷えやすい夏こそ必要と考えられています。腸を冷やさず温め直すことが、夏の自律神経を整える助けになるとされています。

Q. 腸が冷えているサインはありますか?

だるさ・食欲不振・お腹の不調・手足の冷え・むくみ・寝ても疲れが取れない、といった状態が続く場合、腸の冷えが背景にある可能性があります。

Q. 何を飲むと腸を温められますか?

白湯・生姜湯・温かい味噌汁などがすすめられています。冷たい飲み物の一気飲みは控えめにし、常温や温かいものを意識するとよいとされています。

Q. 冷たいものを食べたいときはどうすれば?

がまんしすぎる必要はありません。冷たいものを食べた日は、温かい汁物や副菜を一品加えてバランスをとると、腸への負担をやわらげる助けになるとされています。

Q. 入浴は腸温活に役立ちますか?

シャワーだけでなく、ぬるめの湯船(38〜40℃)に10分以上浸かると、腸の血流を高め自律神経を整える助けになると考えられています。

Q. 自律神経を整えるには他に何を意識すれば?

腸を冷やさないことに加え、屋外と室内の温度差を大きくしすぎない工夫(羽織りものなど)も、自律神経の負担を減らす助けになるとされています。※3

まとめ

夏バテの本当の原因は、冷房と冷たい飲食物による「腸の冷え」と、それが引き起こす自律神経の乱れにあります。腸を冷やさずに整える「腸温活」は、夏の体調管理の最も根本的なアプローチです。毎日の食事と生活習慣に少しだけ「腸を温める」視点を加えることが、夏バテ知らずの体をつくる第一歩になるかもしれません。

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参考文献:※1 アンファー株式会社「夏バテ・腸活に関するアンケート調査」(2024年7月)。20〜60代男女300名対象/※2 Bonaz B, et al. The Vagus Nerve at the Interface of the Microbiota-Gut-Brain Axis. Front Neurosci. 2018;12:49./※3 大正製薬「疲れに効くコラム|冷房病にご用心!」室内外の温度差による冷房病と、温度差7℃以内を目安とする考え方について/※4 木村郁夫ほか「食事由来腸内細菌代謝産物、短鎖脂肪酸と宿主代謝制御」日本乳酸菌学会誌 24(1):33-39, 2013.